売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

5月4日

GW二日目の5月4日(木)は、味噌作りをしました。
実は、センターで毎日飲んでいる味噌汁の味噌は、37期生が仕込み、38期生が天地返ししてくれたものです。センターでは、毎年欠かさずこの時期に味噌作りをしていて、今回41期生が仕込んだ味噌も来年の学園生が天地返しをし、数年後の学園生が美味しく食べてくれることでしょう。
味噌作りの方法は様々。売木村では、味噌玉を作って自然の発酵菌を取り込んだ後に仕込むのではなく、仕込みと前年仕込んだものの天地返しを一日で行う方が多いということで、センターでもその方式を取っています。そのため、朝からテキパキと行動を。午前9時前から、味噌の歴史や美味しさの秘密・作り方について、一時間ほどのミーティングの後、外倉庫前へ。
まずは、味噌を少し味見することに。今食べている37期生が仕込んだ味噌と、一年後の38期生が仕込んだ味噌、そして今回天地返しをする、40期生が仕込んだ味噌をそれぞれ少しずつぺろり。一年でずいぶん変わる味や色の違いに驚いたり、しょっぱいと感じたりしていました。特に40期生が仕込んだ味噌は、まだしっかりと発酵が進んでいないので、米麹の形が残ったままの状態。まだ味噌とは言えないような見た目をしていました。

味見を終え、麹菌が作り出す酵素の働きを活発にし、発酵や熟成を促して風味をアップさせるために天地返しをする必要性を感じた学園生たち。早速、作業を開始することに。ただ味噌を上下ひっくり返すだけではなく、一度味噌すり機に通し、再びすりつぶした後、樽に戻して寝かせるのです。
二台の味噌すり機を使い、二チームに分かれて作業することに。味噌すり機のハンドルを回す人、樽から味噌を取り出し味噌すり機に入れる人、味噌すり機が動かないように足で押さえつつスクリューコンベアに味噌を送り込む人、ミンチ状になって出てくる味噌をバットで受ける人など、チームで分担し、交代しながら進めました。

すり直しの作業はハンドルをいかに回し続けるか、味噌をいかにタイミングよく味噌すり機に投入したり送り込んだりできるかなどが問われる作業です。毎度のことながら、ミンチ状に出てくる穴の部分が詰まり、100か所以上穴があるのに数か所からしかミンチ状の味噌が出てこないこともありました。作業を止め、針金で穴をつついたり、味噌すり機を少し分解したりして詰まりを直す必要があったので、なかなか作業が進みませんでした。特に継続生2人率いる4人チームの味噌すり機が頻繁に詰まり、もう片方の3人チームしか作業が進まない状況が何度もあったので、使う味噌すり機を交換してみることに。4人チームが使っていた味噌すり機を3人チームが使い、同じく何度も詰まるようなら味噌すり機自体の調子が悪いことになりますが、そこまで詰まらないようだったら、メンバーの使い方の問題ということになってしまいます。 使う味噌すり機を変えてみると・・・あまり詰まりませんでした!やはり使い方なのでしょうか。何度も詰まってしまうのを味噌すり機のせいにしていましたが、実は自分たちの力量のせいだったのかもしれません。

3人チームは、作業の手だけでなく、同時につまみ食いの手も動いていました。継続生のJさんが、去年のつまみ食いの味を覚えていて、今年も手についた味噌をぺろり。それを目撃した他の2人が「あ!食べている!」と言うと、「だって手についちゃったから」と言い訳を。わざと手につけた味噌を、たまたまついたと言い張りました。それに2人も気づいたので、Tさんは真似を。わざと手に味噌をつけ、指導員の目を盗むのでもなく悪びれもせずなめていました。Mさんと指導員の2人は、呆れながら何度も何度もつまみ食いをする2人を見ていました。

女子3人に囲まれた男子へのいじりがあったり、4人チームのNさんと3人チームに交じっていた指導員のハンドル早回し対決があったり、かたくなにマスクを外さなかった子が軽い熱中症になってしまったり、がやがやしながらすり直し作業だけで午後1時過ぎまでかかってしまいました。天地返しした味噌を全て樽に入れ、平らにした後、蓋をして再び温度変化の少ない場所に保管。
お腹が空いたのときりがよかったのとで昼食をとることに。

昼食後からは、41期の味噌の仕込みです。

まずは、大豆を味噌すり機にかけてすりつぶす作業。 この大豆は、5月2日(火)の夜に、ざるとボウルを使って洗い、一昼夜水につけておいたもの。膨張した大豆を午前7時から10時ごろまで火にかけ蒸しゆでにし、耳たぶくらいの柔らかさになったので、薪をくべるのをやめ、少し冷ましていました。

大豆は全部で10kg(乾燥状態で)。また同じチームで味噌すり機にかけます。変なタイミングで大豆を入れない限り、先ほどの味噌のすり直し時よりはスムーズに味噌すり機を動かすことができました。午前中は何度も味噌すり機を詰まらせていた4人チームもほとんど詰まらせることはありませんでした。むしろ3人チームより作業が早い!どんどん大豆をミンチ状にしていました。

一方、天地返しだけで疲れてしまったのか、3人チームは少し作業のスピードが遅いようでした。味噌より食べやすいこともありJさんのつまみ食いの手が止まらず。そして、それを真似て同じくつまみ食いをしつつ、Jさんを見てけらけら笑うTさんと、呆れるMさん・指導員がいました。
少し冷ましていたとはいえど、熱々の大豆に思わず「あつっ!」との声があがったり、天地返しの時よりもハンドルを重く感じるので、すぐにばてたりしましたが、4人チームの働きのおかげもあり、一時間ほどで全10㎏の大豆をミンチ状にすることができました。
そして、使ったものや味噌すり機を一旦洗うことに。進んで洗いものをする子もいれば、少しでもさぼろうとする子もいました。ホースを使って洗い物をしていた子たちは、ホースで水をかけていた子にわざとかけられたり、誤ってかけられたりしてはしゃいでいました。

次は、すりつぶして粗熱をとった大豆と塩きり麴(塩3.55kgと米麹7kgを混ぜたもの)を混ぜ合わせる作業。高価な米麹をこぼさないように大きな桶の中で、どこを取っても大豆と塩と麹が均等な状態になるまで混ぜ合わせます。簡単そうに見えて、実はなかなか力のいる作業です。普段からパワフルなNさんが、この時は大活躍!周りにぽろぽろこぼしてはいたものの、とても上手に混ぜ合わせていました。ちなみに、継続生Jさんはこの作業をかたくなに拒み、不参加。去年この作業のせいで手が荒れたので、今回は皆を応援する係になりました。6人で大きな桶を囲み混ぜ合わせましたが、手が塩でしみて痛がったり、すぐに意気があがったりしていたので数人ずつ交代で混ぜ合わせることに。中学1年生の子、文化部の子、中部地方出身の子、眼鏡をかけている子など、条件にマッチした子が集中して混ぜ合わせ、作業を繋いでいきました。

満遍なく混ざったら、いよいよ樽に入れる作業。なるべく空気を入れずに樽へ入れたいので、ソフトボール程の大きさに丸めてから、投げ込むことに。しかし、いつの間にか球のサイズが皆大きくなっていました。ハンドボールとまではいきませんが、それに近い大きさに丸めている子もいて、さすがに大き過ぎると周りの子に笑われていました。樽に投げ込む時も、勢い余って飛び散らかせてしまったり、コントロールが無くて樽の外に投げてしまったりする子がいました。

硬さを調整するために大豆の煮汁(あめ)を途中で加えつつ、大豆10kg、米麹7kg、塩3.55kgを混ぜ合わせたものを全て樽に入れました。
最後に、中蓋と重石をし、カビ予防のために塩で蓋をし、樽の蓋を閉め、歴代の味噌樽の横に並べました。冷暗所である倉庫の中で、発酵されていきます。次回蓋を開けるのは来年の5月頃。それまでしっかり寝かしておきます。

また、翌々日の6日(土)の昼すぎ、味噌樽に被せるカバーを作りました。仕込んだ日と材料と分量、そしてそれぞれの名前や来年度以降の学園生たちへのメッセージを書きました。

23/05/26

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