売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

6月22日・23日

22日(土)の午後から、1泊2日のキャンプをしました。村の小学4・5・6年生にも声をかけたところ、3人が参加してくれるということで、今回は山留生10人+村の子3人の計13人で活動しました。
まずはミーティングで、2日間の流れや、炊事班・テント班の割り振りを聞きました。前日の21日(金)から甲信地方も梅雨入りが発表され、天気予報では土曜日の夕方から雨が降り始め、日曜日は警報級の大雨になるということで、キャンプ日和の2日間とは言えない予想。雨の中の野外炊事やテント泊は初心者には過酷なので、恒例のセンターでのうきうきキャンプとは少し違う方法で行うことにしました。“雨予報だから火おこしがうまくできないかも”と、表情が暗かった子も、ミーティングでいつもより易しいキャンプと聞いて少し表情が晴れていました。

次に、テントの張り方の説明を聞きました。今回中学生男子4人が使うテントは、継続生が張り方を知っているので、継続生が張り方の見本を見せました。山留3年目のJさんは大体覚えていたようですが、2年目のHkさん・Mさん・Sさんは、忘れている箇所があったようでした。しかし、4人で協力して他の子にテントの張り方を教えることができました。
小学生男子3人・女子3人2組の計3組が今回使うテントの張り方と撤収の仕方を指導員が見せ、子どもたちが覚えたところで、各テント班で立てました。大雨予報なので、今夜はセンターの活動室にテントを張って寝ることにしました。壁や窓にポールが突き刺さらないように気を付けながら張っていました。
テントが張れたら、いよいよ野外炊事!18時頃から雨が降り出す予報だったので、18時には食べ始められることを目標に野外炊事を行いました。
幸い金曜日の明け方以降に雨が降ることはなかったので、日が当たるところに落ちていた葉や枝は乾いているものが多くありました。かまどを先に作る班と、焚き付けや薪を先に集めに行く班がありましたが、どのようなかまどを作るか話し合ったり、焚き付けを集める係と薪を集める係に分かれたりと、どの班も班員で協力して野外炊事を行っている様子が見られました。

山留生は、ゴールデンウィーク中に行ったデイキャンプの時に学んだことや感じたことを思い出し、野外炊事に取り掛かっていました。中学生女子は、焚き付けに良いとされるスギの葉を探していました。センターでは通称“パチパチ君”と呼ばれているので、「パチパチ君どこだろう」と言いながら探していました。小学生5人の炊事班は、みんなで協力して行っていたものの、男子3人がとても広いかまどを作った後に、「もう少し狭い方がいいよね」とそばにいた指導員にぼそっと言い、さりげなくかまどの幅を少し狭くするAoさんがいました。また、中木を拾えば焚き付け用の落ち葉も細い薪も太い薪も同時に集められて一石二鳥だと学んだ男子は良い中木がないか探し回っていました。

キャンプが好きなJさんは、同じ班のAiさんに火おこしをさせることなく、独りで行ったところ、一番早く火おこしに成功。マッチ1,2本で火おこしに成功しなかった班や、火おこしに自信がなかった班は焚き付けに新聞紙を使っていましたが、どの班も17時ごろまでには火がおこせていました。小学生5人班は、最初に配られたマッチ5本だけでは火をつけられず、追加で数本もらいました。
夜ご飯は、塩昆布入りツナご飯と各班好きな味付けで作る汁物です。飯盒を2つ使って米と汁を火にかけました。途中で薪が足りなくなったり、汁物の実のじゃがいもが生煮えだったりした班がありましたが、どの班も美味しい夕食をとることができました。
そして食べ終えた班から皿洗いやかまどの片付けを行いました。終わって暇になった子たちは、軍手をボール代わりにしてキャッチボールをし、食べ始めが遅かったSさん・Ahさん班とMさん・Kさん班が、片付け終えた頃には、ポツポツと雨が降り始めました。
全ての班が片付け終えた後は、反省会を行いました。中太の薪をくべ始めるのが遅かった、薪が足りなかった、ご飯が硬かったなどの反省点と、思ったより早く火をおこせた、班で協力して活動できた、乾いた薪を集めることができたなどの良かった点をそれぞれ発表しました。野外炊事が上手くなる一番早い手段は、何度も挑戦することです。継続生も、最初はマッチを擦れなかったり、乾いた薪を集められなかったりしていました。継続生や班の子に頼りっぱなしの新入園生も、回数をこなせばいつかは一人でできるようになるかと思います。今回の反省点を次に活かしていきましょう!

雨が本格的に降り始めたので、室内に入り、歯磨きと就寝準備をしました。せっかくのキャンプ活動なので、この日は電気をつけないことに。怖いと怯える子もいましたが、各自ヘッドライトや懐中電灯をつけ、歯を磨いたりトイレに行ったりしていました。
その後は、夜のお話として、人間の五感について聞きました。電気も懐中電灯も消した真っ暗な空間では、人の視覚が普段よりも利かなくなり、その分他の感覚が研ぎ澄まされていきます。いつもより川の音がよく聞こえたり、雨のにおいがしたり、風を感じたりすることができました。

そして21時には就寝。テントは部屋の壁よりはるかに薄いので、テント内での話し声は周りのテントに丸聞こえ。他のテントからこそこそ話す声が聞こえ、「うるさい」と注意する子もいました。しかし、22時にはみんな就寝。寝息やいびきを立てている子もいました。1枚の寝袋を敷布団にし、2枚の寝袋を掛け布団にして寝ていたSさん・Aoさん、村の小学5年生の3人班は、Aoさんと村の子が掛け布団を占領し、Sさんは掛け布団なしで寒がりながら寝ていたり、即興枕が合わずに首が痛くなった子たちがいたり、起床時間より早く目が覚めてしまった子がいたりしましたが、いつも(布団で寝る時)とは少し違う寝方を体験することができました。

翌朝は、6時半起床。起きてすぐに寝袋を室内干しし、テントの撤収を行いました。
そして、この日は予報通りの大雨だったので、朝食と昼食は役場から借りてきた防災ストーブを使って作ることに。火おこしや火の番をするチームと、具材を切るチームに分かれ、朝食作りに取り掛かりました。
火おこしチームでは、Jさんが火おこしに挑戦。以前にも防災ストーブを使って野外炊事をしたことがあるので、慣れた様子で火をおこしていました。そして、他の子たちにも火の番の体験をしてほしかったけれど、前日に薪を大量に拾ってきたJさんは、片付けに行くのが面倒臭くて、拾ってきた薪をどんどんくべていました。全て使い切りたいから待ってと、他の子に言ったりオーラを出したりして防災ストーブの焚口前を占領していました。Jさん班が拾ってきた薪を全てくべられたら、違う子に交代。焚口がパンパンだったので、団扇であおいで風を送ったり、たまに薪をくべたりしていました。
具材を切るチームは、なすや玉ねぎ、にんじんなどを切っていました。黙々と作業する子と、切り方や切るコツを教え合う子たちがいました。

なかなかスープが沸騰しなかったので、火の番をしていたチームと具材を切っていたチームで役割を交代し、朝食を作りながら昼食の下準備をすることにしました。交代で薪をくべたり団扇で風を送ったり、野菜の皮を剥く子と、皮を剥かれた野菜を切る子に分かれて作業したりする姿が見られました。 そして、昼食の下準備ができた頃に、朝食が完成。ロールパンとバナナと一緒に、作ったマカロニ入りのトマトスープをいただきました。「この具材私が切ったかも」、「サイズばらばらだなー」と言っている子もいましたが、美味しいトマトスープでした。

朝食の片付けをしたら、昼食のカレーを火にかけつつ、室内で干していた寝袋の片付けを行いました。空気をしっかりと抜きながら固く丸め、紐でしっかりと縛らないと、膨張して大きなボンレスハムのようになってしまうので、寝袋の片付けは大変です。大変さを知っている継続生の中には、寝袋の片付けの時間がやってきてしまった・・・と思った子もいたようでしたが、一生懸命片付けていました。早く片付け終わった継続生は、固く縛れず困っている子の助っ人へ!体重が軽い子はどうしても膝で押さえながら寝袋を丸める途中で空気が入ってしまうので、「全体重を乗せて!」「筋肉ないけど、ない筋肉を最大限使ってやるんだー」「もう(寝袋が膨らんで)豚になってるよ」と、周りの子にわーわー言われながら懸命に寝袋と闘っていました。また、なかなか固く巻いてきつく蝶々結びができず心が折れ、最終的には寝袋の片づけを全て人任せにした新入園生もいました。

必死の思いで寝袋を片付けた後は、再び昼食の準備へ。今回は羽釜でご飯を炊くので、メモリや計量カップを使わない時の水の量り方を学びました。

そして、羽釜を火にかけ、みんなが寝袋を片付けている間に火の番をしてくださり、学園長さんが作ってくれたカレーと一緒にカレーライスをいただきました。朝食が少し遅かったので、あまりお腹が空いていないと言う子がちらほらいましたが、あまりの美味しさにおかわりをする人が続出!ご飯だけ食べる子もいたので、たくさん炊いたはずのお米が底をつき、念のため電気炊飯器で炊いておいたお米が登場するほどでした。たくさんあったカレールウも全てなくなりました。

最後に皿洗いや防災ストーブの片付けなどをしたら、1泊2日キャンプは終了。1日目の夕食はどの班も食べることができ、2日目はみんなで協力して野外炊事ができたということで、名前の通りうきうきなキャンプだったのではないでしょうか。村の子も一緒に活動してくれたので、またキャンプがしたいと言う子や、次は三食自分で作って、外にテントを張って寝てみたいと言う子がいました。

24/06/29

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