11月16日・17日
16日(土)・17日(日)に、売木学園の大イベントの一つである、収穫祭を行いました!
16日は、体験発表の日。この日のために、学園生はステージバックを作ったり、農事報告の準備をしたり、7か月過ごして成長した点やこれからの課題等についての“心の収穫作文”を書いたりしてきました。また、7か月過ごして興味を持ったことや、さらに知りたいと思ったことなどについての“個人体験活動”もしてきました。この日は、7か月の集大成を、お家の方や農家さん、先生方や村の方々に見ていただく日でした。


まず行ったのは、“自然への感謝のつどい”です。13時半から玄関前でスタートする予定でしたが始まる2~3分前に、急に雨がパラパラ。このまま弱い雨が続きそうな予報だったので、急遽室内で行うことに変更しました。学園生や指導員だけでなく、農家の父さん母さん、学園生の保護者や兄弟姉妹にもお手伝いいただき、ものの5分ほどで、祭壇の移動が完了しました。



そして、予定より少し遅れて農事暦体験の発表が始まりました。
クイズを挟んで発表したり、事前に描いた絵を見せながら発表したりしました。緊張していた子が多かったようですが、発表していくうちに緊張がほぐれた子や、狙ったポイントで、聞いてくださっている方々が笑ってくださったり、思いもよらない所で笑いが起きたりして、心だけでなく、表情が和らいだ子がいました。
続いて、自然への感謝のつどいでは神主役を務める中学2年のSさんがおはらいをし、学園生を代表して中学3年のJさんが自然への感謝の作文を読みました。また、学園生・受け入れ農家さん・保護者・村・学園の順に代表者が玉串奉奠を行い、作物が収穫できた喜びや自然の恵みへの感謝の意を表しました。
最後に、学園長、村長、受け入れ農家さん代表・保護者代表の方のお話を聞き、ささやかな直会をして終了しました。


その後、10分ほど準備時間をとり、14時40分から体験発表を行いました。
個人の体験発表は、ハンコや木の実や植物でインクを作ってみたり、絵本(原画)を描いてみたり、ブルーベリーや栗、そばの実を使って料理してみたり、裂き織りをしてみたりと、モノづくりや料理を体験した内容が多かったです。やりたいことがたくさんあってどんな個人体験活動をするか決めきれなかったり、取り掛かるのが遅くてやりたいことがやれなかったり、思うように進まなかったりして、この日までにモノが完成した子や、満足いくまで体験できた子は、少なかったけれど、どんな体験をし、どんなことを学び、感じたか、今後どのようにしていきたいかなどをそれぞれまとめ、発表することはできました。
また、大好きな鳥や魚について生き生きと熱弁したり、作った消しゴムハンコやリース、描いた原画、織り機で作ったバックやラグなどを披露したり、会場の皆さんにも方言の調査をしたり、途中でクイズを挟んだり、試食タイムを設けたりと、発表を聞いてくださっている方々にもわかりやすく、そして楽しんでいただけるように、いろいろな工夫をしながら発表しました。


個人体験発表が終わったら、次は全体発表として、民舞や太鼓演奏を披露しました。
民舞は、「はねこ踊り」のいわれを、数人が寸劇を通して伝えてから、全員で舞いました。練習中は、踊れないからやりたくない、恥ずかしいから踊りたくない、面倒くさいから練習したくないなど、踊りの練習を嫌がる子たちと、皆で踊れるようになるために練習してほしい民舞のリーダーが対立する時もありましたが、民舞のリーダーや継続生の女子たちの工夫のおかげで、山留1年目の子たちもなんとか踊れるようになりました。
民舞のリーダーが中心になって考えてくれたフォーメーションや流れも良く、リーダーによる男踊りの披露は、お客さんにも好評で「Hkさんすごいね」「かっこよかった」「びっくりしたよ」などの感想をいただくことができました。
練習不足で、全員がバチッと揃ってはいなかったものの、練習の時より楽しそうに踊れた子もいて、素晴らしかったです。


太鼓は、村の子数名と一緒に売木子ども太鼓として「楽」と「三宅島神着木遣太鼓」を演奏しました。「楽」を演奏する前は、みんな少し緊張していましたが、曲を始める直前に、普段太鼓指導してくださっている藍羽さんが変顔をして何人かを笑顔にしてくださったので、緊張することなく打つことができました。「三宅島神着木遣太鼓」は、前回の発表の場よりも格段に揃った木遣り唄や音を聞いていただくことができました。早打ちのところでは、まだ少しばらついたり、腕を伸ばす時に伸びきっていなかったりする子がいましたが、練習の成果を発揮することができたのではないかと思います。
太鼓のセッティングには、少し時間がかかってしまいましたが、楽しそうに、かつ、かっこよく打つ姿を披露することができました。


最後に、発表を聞いてくださった方々にお礼の言葉を伝え、体験発表は終了。「やっと終わった!」「疲れたー」と解放感に浸ったり、お家の方や先生方に「発表どうだった?」と聞いたりする子たちがいました。
練習中や準備中は、子どもたちの関係がギスギスしたり、思うようにいかずむしゃくしゃしている子がいたり、やるべきことを進めずに現実逃避をしている子がいたりしましたが、子どもたちが楽しんで体験したり、苦手なことに頑張って挑戦したり、話し合ったり助け合ったりする様子を見ることもできました。
また体験発表では、子どもたちの成長した姿を、保護者の方や村の方に少しは見ていただけたのではないかと思います。


17日は、普段お世話になっている村の方々に楽しんでいただけるように保護者会主催のバザーや模擬店を開催しました。4月から、保護者の方々が話し合いや準備をしてくださり、ついにこの日が実現!
朝食後から準備を始めました。子どもたちも、保護者の方に言われたものを運んだり、セッティングしたり、ポップをかいて、飾りつけをしたりしていました。
そして、バタバタと準備をしていたら、「もうすぐお客さんを乗せたシャトルバスが到着します。しかも満席らしい」との知らせが入りました。急いで受け入れ態勢を整え、いよいよ開店!「いらっしゃいませー」「○○いかがですかー」と、大きな声で呼び込みをしていた子どもたち。
子どもたちは、保護者の方のお手伝いをしながら、自分が食べたいものを買ったり、ゲームをしたりし、また、保護者の分の食事も買いに行ったりしていました。2人で割り勘にして、ほぼ全部の食べ物を注文する子たちや、少しずつ買って時間を置きながら食べる子、自分で買ったものを弟に分けてあげる子、メダカ掬いで100匹以上掬い上げる子など、それぞれ好きな楽しみ方をしていました。
そして、13時半頃には、来場してくれていた村の子や修園生と一緒に、太鼓を演奏。即席の組み合わせで打つことになったので、戸惑っているグループもありましたが、楽しそうに演奏していました。


楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。最後に全員でビンゴゲームをし、終了しました。
保護者の方は、ひたすら食べ物を焼いたり揚げたり、お客さんの対応をしたりで大変だったかもしれません。しかし、子どもたちにとっては、お家の方と共同作業をしたり、会話を楽しんだりでき、また、お祭り気分で昼食を買ってたべたりゲームをしたりできたので、とても楽しい時間で、収穫祭準備で疲れた心もリフレッシュできたようです。保護者の方々ありがとうございました。
また、お越しいただいた村の方々、修園生のご家族の皆さん、ありがとうございました。
24/12/04