6月20日
6月20日(土)、朝のつどいの後、いつもどおり学園生たちは朝食の配膳や部屋掃除・動植物の世話など当番活動へ。水やりをしに行った畑当番の子が、みずみずしいきゅうりを採ってきました! ビニールハウスで栽培しているものですが、これから他の野菜もどんどん収穫できそうです!
午後から翌日の午後まで丸一日、センター下の林でキャンプをすることに。今回のキャンプは、テント泊をし、夕食・朝食・昼食と3回の食事を作ります。午前中のミーティングでは、5月に行ったデイキャンプで体験した野外炊事のおさらいや、キャンプの流れの確認をしました。寝袋を初めて使うという子もいたので、使い方や片づけ方の講習も。寝袋は封筒型。縦半分に折ってからぐるぐる巻いていき、最後に2か所に付いている紐で蝶々結びをするのですが、空気を抜くようにしっかりと押さえつけながら巻いていかないと、紐の長さが足りなくなるくらい大きく膨らみ、結べなくなってしまいます。体重をかけたり膝で押さえたりしながらできる限り固く巻き、紐で結んでいる間に緩んでこないよう手早く結ぶ練習。思うようにできない小学生に、中学生が教えたり手伝ってあげたりしていました。
それから外へ出て、テントの立て方・片づけ方について、指導員がレクチャー。午後には、6人用テントを、男子は3人・女子は5人で協力して立てなければならないので、しっかり聞いて覚えようとしていました。
センターでお昼ごはんを食べ、キャンプ開始までに、個人装備を準備。
午後2時過ぎから、いよいよキャンプ開始! キャンプ終了まではセンター内に戻りません。テントと銀マット・ブルーシート・スコップなどを手分けして持ち、今回の幕営地であるセンター下の林の中へ。まずは、男女にわかれてトイレ作りから。
場所を決めて穴を掘り、立ち木を利用してブルーシートで目隠し。植物の根っこに阻まれ土を掘ることが難しかったり、つっかえ棒を上手く立てられなかったりして、時間はかかりましたが、一応完成。これで、安心してキジ撃ちやお花摘み(屋外排泄)体験もできそう。
午後3時を過ぎ、次はテント設営。男子チームは、木の根や切り株を避け、テントをはる場所を決めて、石や枝拾い。そして、午前中に習ったことを思い出しながら、3人で力を合わせて組み立てていきます。教わった通りに、「押して!」とポールの扱い方に気をつけたり、「こうじゃない?」などと声をかけ合ったりしながら進めていました。
継続生が2人いる女子チームも、まずペグの本数を確認してから、テント本体をさくさくと立て、しっかりとフライシートを張っていました。それから、固定するためにペグを打ち、完成したらテントの中に銀マットを敷く段階に。個人装備や寝袋もテントに搬入。
今晩の寝床を確保した学園生たちは、炊事班にわかれ、すぐに野外炊事の準備に入りました。まずは、かまどを作る場所決め。テントからは離していたものの、なぜか通路上に作ってしまった班も。たくさんの石を運んできては積み重ねたり、間伐材と石を駆使したり、木の枝3本を蔓で縛って三脚を2組作り、そこに棒を渡すタイプのかまどを作ってみたり…。同じ班の中で役割分担し、すぐさま薪集めをする子たちもいました。前日、雨がしっかり降ったので、天気は回復したものの、林で調達できる薪を折ってみるとパキッと音がするほどよく乾いているものは少なく、火をつけられないのではないかと一抹の不安がよぎった子たちも。
しかし、林の中にはモミジイチゴが群生している所が! もしも食事にありつくことができなかった場合でも、小腹を満たすことはできそう。
夕食の食材配布は、午後4時から、センターの倉庫にて。炊事班は3人組が2つと2人組が1つ。各班から一名ないし二名を出して、調理道具一式が入ったかごを受け取り、まずは飯盒炊さんの準備。飯盒のふたを使ってお米を量ります。一人一合までだったのですが、誰も迷うことなく 3人組は三合、2人組は二合にし、洗米も水加減もお手のもの。
夕食のメニューは、ごはんと汁物と野菜炒め。各班には、玉ねぎ・人参・じゃがいも・キャベツ・レタス・トマト・人参の葉といった野菜とウィンナーが配られ、何を汁物の実にするか、どれを野菜炒めに使うかは自由。「ピーラーじゃないと、皮をむけない…。」という子もいましたが、危なっかしい手つきで包丁を使い、なんとか食材を切りました。
飯盒や食材を入れたフライパンなどを林の中に運ぶと、各班 夕食作りに必要と思われる薪を集め終わり、あとは火をつけるだけの状態になっていました。
午後5時10分頃のMr・Wa・Ei組。小学生3人ですが、デイキャンプ時に使った本数に基づき算出した 今回のキャンプ開始時に渡されていたマッチは21本。焚きつけに使える新聞紙も見開きで3枚、うちわ(プラスできるアイテムとして、新聞紙・うちわ・ナイフの中から一つだけ選んだ)も使える状態で、火つけ開始。
同じ頃のHi・Ou組。枝で三脚を作る際に緑の葉がついた蔓を使用したことで、飾りのようになり、かまどはおしゃれな感じに仕上がっていました! 新入園生同士だけれど中学生のこのペアは、マッチ21本・新聞紙見開き2枚に新聞紙見開き2枚をプラスした状態で、3食作ることに挑みます。
同じく5時10分頃のHa・Mk・Ko組。プラスできるアイテムとして新聞紙見開き3枚を選んだこのトリオは、マッチ30本と新聞紙見開き3枚も所持した状態から、火つけ開始。
30分ほどが経過。軽く丸めた新聞紙の上に細い枝を載せ、満を持してマッチを擦っていたMr・Wa・Ei組でしたが、焚きつけの新聞紙すら燃やすことができません…。失敗するたびに、次は誰がマッチを擦るか 押しつけあい、マッチをたくさん持っていることに胡坐をかいていたのか、考えたり何かを変えたりしないまま漫然とマッチを擦り続けていたのでした。焚きつけの新聞紙の次に燃やしたいものができるだけ乾いていないと、時間をかければかけるほど、よく燃えるはずの新聞紙もその湿気を吸ってしまっていることに気づいていない様子。
Hi・Ou組も午後5時40分頃、何本かマッチを擦ってもくすぶるだけで、大きな火に育てることができず、苦戦中でした。
同じ頃、それまでに何本もマッチを消費し、新聞紙は燃えるものの次に燃やしたいものに火を移すことができず、白い煙が立ちのぼっては消えていっていたHa・Mk・Ko組のかまど。少し険悪なムードになっていましたが、大量のマッチ棒があるのでまだまだ大丈夫!
午後6時を過ぎ、Mr・Wa・Ei組のかまどには火の気がありませんでした。気がつけばかなりの本数のマッチを浪費していた様。相変わらず、マッチを擦る役をなすりあったり、試行錯誤しないで焚きつけの新聞紙すら燃えないと愚痴るだけだったり…。このままでは、夕食にありつけないかも!
同時期、6本目のマッチでつけた火を細い薪や中くらいの太さの薪に移すことに成功したHi・Ou組。何度もくすぶっては消えを繰り返した後だったので、侮れませんが、大きな火に育ちつつありました!
時を同じくしてHa・Mk・Ko組のかまどにも、今までより長時間 燃え続けている火を確認することができました。マッチと新聞紙をたくさん使える状況下で、急ぐあまり、すぐに太い薪を投入していましたが、10本目のマッチを擦り、火おこしはかなり細く小さなものから始め 次第に太く長い薪へ というセオリーに従った様。
午後6時20分頃、学園生に先駆けて指導員が夕食タイムとなりました。「お先にいただくね。」と声をかけられた学園生たちは、それぞれのかまどの前で奮闘中!
夏至の頃とはいえ、さすがに午後7時半にもなると、ヘッドライトが必要。大きい火を保ち続けることは難しかったけれど、何とか汁物の実が軟らかくなり、ご飯も炊けて蒸らしている間に、野菜炒めにとりかかっていたHa・Mk・Ko組。
午後7時30分頃、Hi・Ou組も、Ha・Mk・Ko組とほぼ同じ進度でした。野外炊事で、おいしく野菜炒めを作るのは、結構難易度が高く…。そこへ、未だに火がついていない班の子がうらやましそうに見に来ていました。
午後7時50分、調理と盛りつけが終わったHiさんとOuさんが「いただきま~す!」新聞紙で扇いだり、一生懸命息をふいたりして調理可能な火の大きさを保ち、時間はかかったけれど、ご飯・汁物・野菜炒めにしっかりと火が通っていました。
Hi・Ou組から遅れること10分、午後8時にはHaさん・Mkさん・Koさんが夕食にありつきました! 「どう?」と聞かれると、「おいしいよ!」と笑顔で答えたり、夢中でかきこんだりした3人。
思っていた以上の湿気に苦戦を強いられ、マッチ15本を使い、うちわの出番もないまま夕食を諦めたのはMr・Wa・Ei組。他の班から火を借りることは禁止なので、マッチ6本を残し、明日にかけることに。
午後8時頃から夜のお散歩に行ったり、夜食(焼きマシュマロ)を楽しんだりする予定でしたが、夕食作りに時間がかかりすぎたため、全員での活動は断念。夕食を食べられなかった3人は、かまどの周りを片づけた後、夜のお散歩に。ヘッドランプを点けずに(とは言っても、外灯が点いているのでそれほど暗いわけではありません。)暗闇や音・匂いなどを感じながら、普段あまり歩くことのない道を静かに歩いてみました。期待していた蛍はまだ見られませんでしたが、キャンプサイトに戻る少し前、広い夜空を見上げると、たくさんの星に混じり、光ったり消えたりをゆっくり繰り返しながら少しずつ動いているものを発見!! 「飛行機?」「ヘリコプターじゃない?」「人工衛星?」「もしかして未確認飛行物体?」と、盛りあがったのでした。夕食は食べられなかったけれど、夜にセンター付近を数百メートル歩くという非日常を楽しんだ様。
夕食を食べ終わった子たちは、食器や飯盒・フライパンなどを洗って片づけ。明日に備えました。
翌朝までかまどの火種をいかしておけたら…と、薪を触っていた子もいましたが、午後9時を過ぎたので、テントに入った男子3人。「広いなぁ。」とはしゃぎながら寝袋を広げ、寝る準備。夕食を食べられなかった子も、つい先ほどまで食べていた子も、それぞれ寝袋に入り、「おやすみなさ~い。」
歯磨きをしたりトイレに行ったりしていると、とうに就寝時間を過ぎていた女子テント内。5人なので、頭の向きを揃えて寝ることも可能でしたが、一人ずつ頭と足を交互にして寝ることに決めた様。寝袋・テント泊が初めての子も、快適に寝られそう。
20/06/23