1月14日
1月14日(月)、前日に引き続き、小正月の御飾り作りをしました。第二弾は、繭玉作り!! 繭玉は、米の粉を練って繭の形に丸めたものをビンカ・ソヨモ・ツゲなどの木にならせて、大黒柱にしばりつけて飾ったり、石臼などに立てて飾ったりするものです。昔は、お蚕さまは、農家にとって大きな収入源だったので、養蚕の神様は大変大事にまつられたそう。繭玉には、蚕の成長と同時に農作物の順調な生育を祈願する意味が付されています。
9時半頃から、常緑小高木のソヨゴ(売木ではソヨモという)を探しに行きました。収穫祭の”自然への感謝の式”の時に、ヒモロギや玉串などに用いた、学園生たちにも身近な存在の植物ですが、自力で見つけるのは難しかった様。実物を見せて教えられると、同じ木を探すことができた学園生たち。この後に作るお団子を枝にさすので、「これでいいかなぁ?」とか「いっぱい枝があるから、これにしよう!!」とか言いながら、細い木を一本選んで切り、持ち帰りました。
それから、外に出たついでに、薪集めをしました。午後に外で火を焚いて、繭玉を焼いて食べる予定なので、その時に燃やす薪です。ここのところ天気が良く、センター下の林には乾いた薪がたくさん落ちていたので、皆で手際よく細いものから太いものまで適量拾ってきて、倉庫の前で太さ別に仕分け。
10時45分から、食堂でお団子作り開始。今回の活動では、繭玉は飾らずに食べるつもりなので、米の粉に少しお砂糖を加え、菜箸で混ぜながら熱湯を少しずつ注いでいくことに。ポロポロになってきたら手のひらの下半分を使ってこねるのですが、非常に熱いうえに、注ぐお湯が適量でないと、うまくこねてまとめることができません。難しいけれどやってみたい人?と問われた学園生たちは、皆 尻込み…。少ししてやってみる気になったのは中学2・3年生。白色と桃色と薄緑色のお団子を作るので、ボール3つに米の粉を分け、そのうちの2つには赤と緑の食用色素を加えてこねました。案の定、注いだ熱湯が少し多すぎたようで、こねることもまとめることもままならないボールが1つできてしまいました。
わりとうまくまとまったボール2つの方は、それまで見守っていた子たちも順番にこねていくことに。しっかりこねることが大事なので、手のひらの下半分を上手く使い、力強く作業をしていきました。手にくっつかないように予め、粉を手につけることを忘れていたり、指先でこねてしまったりした子がいたので、再度 生地をひとつにまとめ直す場面も。
曲がりなりにもできた3色のお団子の生地を分け与えられた学園生たち。まず、幾つ作るかを考えて、適当な大きさにちぎって丸めました。
そして、慣れた手つきで、一般的な繭のイメージである中央が少しくびれた長楕円形に形作っていく子もいれば、指に生地をいっぱいくっつけて粘土遊びみたいになっていた子もいました。
繭の形ではなく、稲の花に見立てた滴型に形作った子も!
できた子たちの分から、蒸し器に入れて15~20分ほど蒸しました。その間に、食堂を片づけたり、使ったものを洗ったり。気に入るまでじっくりと形作っていた子たちのお団子を蒸す頃には、一旦 自由時間となりました。
蒸しあがったお団子は、透明感がありつやつやしていました!
お昼ごはんを挟み、午後2時前から、お団子をソヨゴの枝先にさす作業に移りました。いい加減にさすと、枝先が折れてしまったり、すぐに外れてしまったりしたので、皆 慎重にやっていました。細い枝に対して大きなお団子をさすと、しだれて、お団子が落ちたり、全体の枝にバランスよくさしていかないと不格好になったりしたので、試行錯誤を重ねていた学園生たちでした。
この頃、来年度の山村留学を考えている子たちが、体験留学に来たので、自己紹介をし合い、外に出て、しばらくの間、おにごっこなどをして遊びました。そのうちに「まだ、繭玉 焼かないですか?」と、学園生から催促が。午前中に集めた薪に火をつけると、火の周りに皆 集まってきました。食堂の机の上に置いていたそれぞれの繭玉を取ってきて、お互いに見せ合い、写真撮影。手間どったものの、小ぶりの繭玉をたくさん作り、それを全体の枝にバランスよくさした子のソヨゴは、色とりどりの花がいっぱい咲いたようで、とても華やかでした!
お正月の松飾りや注連縄・書き初めなどを家々から持ち寄り、一か所に積み上げて燃やすという、日本全国に伝わる小正月の行事”どんど焼き”の真似事で、松なども加え 火を大きくしました。その火の勢いが弱まり、熾火になると、いわゆるどんど焼きでお餅や繭玉を焼く段取りとなるように、学園生たちも作った繭玉を火にかざしました。
繭玉をどんど焼きの火で焼いて食べると、一年間風邪をひかない、虫歯にならない…など、無病息災で過ごせるといわれていますが、軽く焼けた繭玉を口にした学園生は「普通においしい。」とか「ほんのり甘い。」「うまいんだけど!」などと口々に言っていました。炙った繭玉は、体験生たちにもわけてあげ、おやつとして一緒に食べました!
せっかく良い状態の熾火になっていたので、皆が大好きな焼きマシュマロも楽しみました。最後にソヨゴを燃やして終了しました。
19/01/16