7月5日
入園してから3か月間、学園では、畳に正座をし、ちゃぶ台で食事をしてきた学園生たち。7月5日からの1学期最後のセンター生活では、箱膳を使って食事をいただくことに。箱膳とは、江戸時代から昭和初期頃まで全国的に使われていた箱型のお膳のこと。箱膳は、一人に一つずつという使い方をし、使用する際には蓋を返してお膳とし、その上に器を並べます。食事が終わると、器に白湯やお茶を注いでお漬物で洗い、それを他の器に順に移して綺麗にし、最後にお漬物を食べ、白湯やお茶を飲み干して、器を布巾で拭いて箱膳にしまう というのが作法のよう。昔と今では食事の内容が違うので、さすがに学園では食器を洗って乾かしてから、次に使うことにしますが…。
これまでに、食べる時の姿勢や食べる順番、お箸の取り方・持ち方・置き方など、食事作法全般について、子どもたちに繰り返し指導してきました。それは、一緒に食事をする人同士がお互いに気持ちよく食事ができるための心遣い。また、いただく命や食事を口にするまでに携わってくれたたくさんの人たちに対する感謝の振る舞いでもあるからです。心遣いや感謝の振る舞いは、いつも忘れてはいけません。お家では、テーブルとイスで食事をしていたという子がほとんど。それが、ちゃぶ台と正座になっただけでも大変だったと思いますが、姿勢が悪くなりがちな子もいました。箱膳で食事をいただく時は肘をついたりもたれかかったりすることができず、お茶碗やお椀をきちんと持たないといけないので自然と背筋が伸び姿勢が美しくなり、器の扱い方も丁寧になります。食事を無駄にしないことはもちろんのこと、緊張感をもって静かに、良い姿勢でいただくことに。早速、ごはんやおかずを畳の上にぼろぼろとこぼし、それをお箸ではさんで直接 口に入れる子たちもいましたが…。2週間ほど、箱膳体験を続けます。
19/07/07