10月7日
明け方まで降っていた雨で、水がたまったりぬかるみが酷かったりする田んぼでしたが、予定どおり10月7日(日)、稲刈りをしました。普通なら延期するところですが、人海戦術をとるために決行。学園生たちだけではなく、前日に学校で行われた白樺祭や音楽会を見に来てくださり、そのまま宿泊されていた学園生のお家の方たちの力を借りようという魂胆でした。
これまでの田んぼの作業を振り返り、稲刈りの手順を確認した後、外に出て、まず藁すぐりをしました。稲刈りももちろん、これまでと同様 機械を使わず、稲を鎌で刈り取った後に束ねるのですが、その時に使う紐が昨年の藁。手櫛ですいて、葉を落とししっかりとした茎だけを選びました。一度に沢山すこうとして、良い藁の茎まで取り除いてしまう子もいましたが、お家の人たちとともにどんどんすき、できたら水で湿らせました。
稲刈り鎌や結束用の藁、ぬかるみで使う用のソリなどを手分けして持ち、田んぼへ移動。鎌の使い方や刈り取った稲の結束の仕方のレクチャーを受けた後、収穫祭の祭壇にお供えするための稲を一人一株刈りました。
それから、田んぼの端の方を継続生たちが刈り、皆が本腰を入れて稲刈りができる体制を作りました。が、早速ぬかるみに長靴がはまってしまったり、倒れている稲を刈るのに難儀したり…。なんとか、皆が田んぼに入れるくらいのスペースができたので、作業開始。倒れた稲が水に浸かり、穂先の籾から新たに芽が出てしまっているものも多くありました。
だいたいお家の人とペアやトリオになり、進めることに。学園生たちが鎌で稲を刈って、畦に運び、お家の人に束ねてもらうという形が主流でした。稲を藁でしっかりと結束できていないと、はざにかけて干す時にばらけてしまい、二度手間になってしまいます。なので、きつく束ねるのに自信がない子たちは刈る作業を担当し、手早くぎゅっと結ぶことをお家の人に担ってもらうという分担になった様。
田んぼの中程は、特にぬかるみが酷く、刈り取った稲を、畦に置きに行ったりソリに載せたりする間に、足を取られて稲穂を泥だらけにしてしまうことも。しかも、よく実りすぎていたことと台風の影響で、かなり広範囲にわたって稲が倒れていたので、一度起こしてから刈らなければならず、骨が折れました。田んぼが乾いていれば刈ることに集中できますが、いろんなことに気を配らなければならず、かなり大変だった子たちもいました。
お家の人に田んぼに入って稲を刈ってもらい、畦でひたすら、藁でしっかりと結束し続ける学園生もいました。干しているうちに乾燥し、緩んでくるので、きつく結ぶ必要がありますが、大人顔負けの仕事っぷり!
泥沼地帯と稲が倒れているゾーンからなかなか抜け出せず、奮闘し続ける人も多かったのですが、体勢のきつさや腰の痛さを我慢して黙々と刈っていました。結束する人がやりやすいように、刈った根元を揃えることや、一束にする分量を考えて置くことなどに、終始注意を払える子もいれば、しゃがむことが辛くなり膝を伸ばしたまま刈り、株の切り口がもの凄く斜めになってもお構いなしの子も。
わりと乾いていた場所を2列ほど担当して刈っていた子は、早々と対面の畦まで突貫し、その他の子たちも、だんだん慣れた手つきで鎌を扱えるようになり、ザクッザクッと小気味よい音で稲を刈るのが楽しくなってきた様子でした! 酷いぬかるみと倒れた稲に手こずったものの、人海戦術が功を奏し、11時45分までに田んぼ面積の約4分の3の刈り取りと結束が終了。泥だらけになった人もたくさんいました。
センターに戻って昼食を食べ、高速バスで帰る 稲刈りを手伝ってくださったお家の人たちを見送って、できるだけ外で食休み。なぜ外で休憩をしたのかと言うと、この日 売木村で行われていた”うるぎトライアルRUN”に出場の選手たちを応援するため。センター前の道路も、稲刈りをしている田んぼの横の道も、ちょうどフルマラソンのコースの37km地点付近にあたります。そして、なんと現学園生Sbさんのお父さんも出場しているということで。そうこうしているうちに、ぱらぱらと選手が現れ始め、応援する学園生たち。午後1時40分頃には、日本一過酷な?コースを37km走ってきてもなお、しっかりとした足取りのSbさんのお父さんの姿が!! 学園生やお家の人たちの応援にも一層力が入りました!
学園生と、もう少しお手伝いできる時間があるお家の人たちは、午後2時前から田んぼへ行き、作業再開。子どもたちは、午前中にたくさん落としてしまった穂を拾うことから始めたところ、田んぼの横の道をトライアルRUNに出場の選手たちが大勢駆けぬけていきました。「がんばってください!」と応援しながら、「誰(が書いたもの)ですか?」と聞く学園生たち。学校で、7枚ほど選手のゼッケンに応援メッセージを書いていたので、次々と通る選手のゼッケンをチェックしていた様。「あっ、僕が書いたものだ!」と喜ぶ子もいれば、学園生が書いたものであれば「ここにいますよ!」とか「あの子です!」と知らせる子もいて、選手から「応援メッセージありがとう。一緒に写真を撮ろう。」と誘われると笑顔で応じたり、お話をして交流したり。学園生たちは、走ってはいないけれど歩いてコースの長さや過酷さは知っているので、心底凄いと思える選手たちを一生懸命励ましていました!
落ち穂拾いと並行して行なっていた、残りの稲刈りと結束、はざの組み立ても完了。午後3時頃には、はざかけ作業に移りました。例年より、稲の丈が長く育ち、穂先が下に着きそうなので、田んぼに組み立てたはざには3段分だけ干すことに。穂先がどろどろになるのを避けるため、田んぼに直接置くことは避け、持てるだけの稲束を抱えて畦からはざまで運ぶ役、
はざ棒に稲を分けてかけていく役、はざにかける人に稲束を手渡す役…というふうに、なんとなく流れができ、それぞれしっかりと動いていた学園生たちでした。時々、結束がゆるいものがあって、はざかけが滞る時もありましたが、2週間ほど前に機械で刈ったうるち米をはざかけした経験があるので、手際よく進みました。
昨年よりもよく実ったようで、はざ3段にかけきれなかったものがたくさんありました。それらは、センターに運び、周囲のフェンスにかけて干すことに。最後まで、ぐちゃぐちゃの田んぼに苦しめられましたが、一粒も無駄にするまいと、もう一度落ち穂を拾いました。刈った稲を置き、結束をしていた畦にも、たくさんの稲穂が落ちていたので、よく見て拾い、束ねて、はざやフェンスに干しました。お家の人たちのお力添えのおかげで、明るいうちに終了し、どろどろになったソリや使ったものを片づけることができました。この先のお天気にもよりますが、4週間ほど天日干ししたら脱穀をする予定です。新米をついて食べるおもちを楽しみに待つ学園生たちでした!
18/10/09