5月27日
5月27日(土)の朝、学園生たちは荷物整理や部屋掃除をし、りんごの作業をしました。夜や明朝には、お家の人たちが来園されるとあって、浮き浮きとした様子。
毎年 山留生たちは、村内にあるりんご農園で、りんご栽培の体験をさせてもらっていますが、今年度もお願いすることに。日々の管理は農園主さんがやってくださり、年に数回 ほんの少しの作業を体験するだけで収穫の喜びを味わえるという、学園生たちにとって大変おいしい活動なのです! センターでミーティングをした後、10時頃、車で りんご農園へ。
農園主さんにご挨拶をし、作業の説明を聞きました。5月上旬に、りんご作業第一弾として”花摘み”を予定していたのですが、その頃にはまだ花が咲いておらず、その翌週末も天気が悪かったり花が満開ではなかったり。そして、農家生活をはさんだ学園生たちは、初めてのりんご作業をこの日にすることとなったのでした。
りんごの木に花は幾らか残っていたものの、ほとんどは少し膨らみ始めた幼果になっていました。なので、今回の作業は”摘果”。子どもたちがやりやすいようにと、それほど高くない木々の畑で作業させていただくことに。
農園にはいろんな品種のりんごの木が植わっていますが、主に”つがる”の摘果をすることに。摘果とは、不要な果実を除き、残した果実を大きく おいしく育てるために大事な作業です。基本的には、中心果だけを残しますが、中心果よりも側果の方が大きくて良い場合には側果から一果残します。他は、指の爪やハサミで切り取るのです。
子どもたちは、はりきって摘みとっていました。既に撒いた摘果剤が効いていて、簡単に取り除くことができるものもあれば、幼果を支えるつるがもの凄く固く、ちぎるように引っ張ってしまうと、果そうごと取れてしまうことも。皆、気をつけていましたが、時々「あっ・・・。」とか「やばいっ!!」「ごめんなさい。」という声が。果そうごと取れてしまうと、実が残らなくなるだけでなく、翌年の花芽もなくなってしまうので、慎重に不要な幼果だけを取るようにしなければなりません。
作業をする木はたくさんあるので、手早くかつ丁寧に行うことが求められ、しばらくの間、学園生たちは集中してやっていましたが、不意に枝を折ってしまうことも・・・。深く反省し、二度と失敗しないよう気をつけながら、次々と摘みとっていっていました。
しかし、時間が経つと、おしゃべりに夢中になり手を動かしていない子、座り込んで勝手に休憩する子など、だんだん怠ける子たちが出てきました。指への負担や爪の痛みが増してくると、農園の方がハサミを出してくださり、皆こぞって借りていましたが、そのハサミで大切な葉っぱを切ってしまう子も。一方で、無駄口を一切叩かず、一心に摘果をし続けていた子たちの姿も光りました。残しておく中心果に触れるとサビがでるので、触れないように、側果を摘んでいくことに神経を使うのも大変だったようです。1時間ちょっと摘果作業をしただけの学園生たちですが、何百本ものりんごの木を栽培されている農園主さんから、摘果はひとつひとつ手作業で何度か行い、仕上げ摘果も行うと聞き、最も重要で、気が遠くなるような作業だということがよくわかった様。次回は、夏休み前に、袋かけをする予定です。
午後2時前からは、2週間前から延び延びになっていた畑作業に勤しみました。中庭のビニールハウスの中は、畑に定植されるのを待つ 種を蒔いて育てていた野菜の苗たちや買ってきた苗たちであふれかえっていたところだったので、この日、畑に植えることに。
いきなり苗を植えることはできないので、まずは畝たてから。どこに何をどれだけ植えるかという計画を指導員から聞き、2人1組で畝を作っていきます。さつまいも用の畝を任されたペアは「さつまいもは土の中にできるから、土を高く盛らないと・・・。」と、鍬ではりきって土を盛り、豆やとうもろこし用の畝をたてることになったペアは平畝でよかったのですが、土を必要以上に盛りすぎていました。何度か耕運機でおこしていた畑の土は軟らかくなっていたうえ、畑には耕運機の跡がついていたので、それを活かせば、畝たては造作もないことですが、幅が広くなったり狭くなったりと苦戦するペアも・・・。随分前になりますが、じゃがいも用の畝たてを皆 経験済み。なので、協力して手早く、上手に、作ることができたペアもいました。
畝がたったら、言われなくてもマルチはりをしていた学園生たち。はり方のコツを既に学習済みなので、協力して手際よく進めていました。とうもろこし用の畝は幅が広いので、風にあおられてマルチが剥がれないよう、マルチの端を土でしっかりと押さえていました。
いろいろな野菜を育てる計画なので、ペアで1本 畝をたてるだけでは足りません。休む間もなく、かぼちゃやズッキーニ用の幅広の平畝をたて、マルチをはり、灼熱地獄のビニールハウス内でも畝たてとマルチはり。2時間弱かかったけれど、ぴんとはられた状態でマルチが被せられた畝が、畑にきれいに並びました!
いよいよ、苗植えです。苗によって株間や植え方が違うので、1種類ずつ、皆で確認しながら植えていくことに。さつまいもは、苗を畝と並行に置き、茎を押さえ、土に押し込むように植え、葉を土の上に出しました。しかし、軽くひっぱっただけで、すぐに抜ける植え方をしていた子がたくさんいて、植え直し。”紅あずま”の他、干しいも用の”太白”も植えました。
自分たちで苗づくりをした”いんげん”や”枝豆”は、マルチに穴を開けてから植え穴を掘り、ポットから苗を出す時に、根鉢を崩さないよう気をつけて植えました。畝の表面の土と同じくらいかやや高くなるよう土を調整して入れるはずでしたが、いい加減に植えられていたものも多く・・・。
2条(2列)植えをする豆類やとうもろこしは、苗を植える前に、条間と株間を測り、マルチに印をつけておきました。
順番に、とうもろこしやズッキーニ・かぼちゃの苗なども植えていきました。根が出ていたり軽く持っただけで抜けてしまったりするような酷い植え方をされていたとうもろこしを、きちんと植え直してくれた子もいました。
きゅうり・ピーマン・ししとう・おくら・ミニトマト・トマト・なすなどの苗は、ビニールハウスの中に定植。
植えてみたい苗を手にとり、隣りに植える野菜の苗との株間を考え、植え付ける学園生たち。暑いビニールハウスの中では、ポットで大きく育った苗を植えた途端に、くたっとしてしまったり、土が乾きに乾いていたので上手く植えられなかったりしましたが、何とか全ての苗を定植できました!
さつまいもやかぼちゃ・ズッキーニなどは、葉が焼けるのを防ぐために、葉とマルチの間に藁を敷いたり、トマトやきゅうりなどには支柱を立てたりもしました。最後に、植えたばかりの苗にたっぷりと水やり。おいしい野菜をたくさん収穫できるよう、これから、水やりや草とり・追肥・支柱への誘引などお世話をしていきます。
鍬やスコップ、ポットを洗って片づけると、もう午後6時近くになっていました。
17/05/29