お別れハイキング
33期の修園まで2週間となった3月5日(土)、自分の足で歩くことを大事にしてきた1年のまとめとして、”お別れハイキング”を行いました。
前夜の活動ミーティングで、村内にたくさんある石造物を探しながら、村内の長島峠・県境にある新野峠・村境にある売木峠を巡る 26.2kmほどを歩くと聞いた学園生たち。留学2年目の子たちは、昨年 根羽峠まで歩いたので、この活動を終えると自分の足で4つの峠を制覇できることに。
晴れてはいないものの寒くもない中、各自地図を手に、8:45頃出発。実は、出発時間が予定より遅れたのですが、1時間に4kmくらいのペースで歩こうと、皆で確認していたので、だらだら歩かないようにだけ気をつけながら歩き始めました。しばらくは、歩き慣れた通学路を歩きます。「あっ、リスだ!」と誰かが声をあげると、先を歩いていた子たちも戻ってきて「どこ?どこ?」 皆で、かわいらしいリスの姿を見ました。そして、「あっ、あったあった!」センターの建つ岩倉地区でも、毎日通っている軒川地区でも、幾つかの馬頭観音や石碑群を発見!地図に、場所と数を書き込んでいきました。
石造物探しが楽しくなってきた模様。「馬頭観音、ないかなぁ~?」辺りをキョロキョロしながら歩く子も。視力が良い子は、歩いている道沿いではなく、遠くにあるものまで見つけていました!”牛頭観音”を見つけた子も。
センターから5km半ほどの地点”長島峠”を越え、南一地区に向かいます。峠のてっぺんには、大きな馬頭観音が!「でかい!」と驚く学園生たち。どうやって造られたものなのか疑問に思い、考える子も。1年間お世話になった農家さんの家の近くを通った時には、農家の母さんとの思い出を話す子もいました。
県道にぶつかったら右折して、南下。春から秋にいろいろな作業や収穫を体験させていただいたりんご農園の横を通り、目指すは、道仙沢の”やぎ小屋”です。近づくと、番犬に吠えられまくり、怖がる学園生たち。賢い犬だと皆で感心していると、ビニールハウスの中から、飼い主の方が出てきてくださいました。突然の訪問にもかかわらず快く迎えてくださり、3日前に産まれたばかりの子やぎ2頭や、出産を控えたやぎと触れ合うことができました!皆「かわいい!」と連発しながら駆け寄り、目尻を下げていました。産まれて間もなく、まだよろよろしている子やぎたちを、抱っこさせてもらえることになり、どうやって抱えるかを教わってから、順番に恐る恐る抱っこ。真っ白でふかふかの毛に覆われた子やぎは、思わず頬ずりしたくなる可愛さ!搾乳されたミルクをごくごくと飲む2頭の子やぎを、目を細めて見る学園生たちでした。
やぎ小屋の外にはポニーの姿。喜んで近づいていき、観察したり、一緒に走ったりしていた子もいました。
学園で飼っているやぎ2頭と同時期に昨春、この小屋で生まれ、育っているやぎも見ました。だいたい同じくらいの大きさだったので、一安心。
ここまで歩いた距離はおよそ8km。まだ歩き始めたばかり。少しだけ立ち寄る予定が、案の定、長居をしてしまったのでした・・・。これから歩く距離を考えると、そろそろ出発しなければ!まだまだ未練がある様子の子どもたちでしたが、やぎ小屋を後に。
次に2つめの峠を目指し、県道を愛知県豊根村方面へ。だらだら続く登り坂を歩きながら、おしゃべりをしたり、ヒカゲノカズラで冠を作って頭に被ったり。センター出発時に配られたみかんや飴・キャラメルなどの行動食を5kmごとにひとつ食べる計画を立てていた子は、しきりに「今、何kmくらいかな?」と。
学園生たちはまだまだ元気なものの、峠に向かってずっと登っていたので、ペースが少し落ちてしまいました。途中、ほとんど見つけられなかった馬頭観音や石碑は、新野峠のてっぺんに近づくと、幾つかありました。急いで地図を取り出し、書き込む学園生たち。
そして、ようやく県境に辿り着きました!愛知県に踏み込んだり、長野県に戻ったりして、県境に到達した証拠に写真撮影。
ここからまた、登ってきた道を下り、村の中心部へ向かいました。湧き水ポイントでは、水筒の中に入れていた水を捨て、入れ替える子も。まだ全行程の半分もいっていないけれど、正午をまわっていたので、少し急ぐことに。
一団は縦長になる時もありましたが、十数個も集まった大平の石碑群に歓声をあげ、売木川沿いの未舗装の道をてくてく・・・。川で石を拾って遊んだことを思い出しては話したり、平らな石を見つけて水切りをしたりしながら、北上。
南一地区から南二地区に入り、もうすぐ村の中心部。2kmほどは石造物を発見できないまま歩いていましたが、栗矢沢の石碑群が現われました。その場にへたり込む子もちらほら。お弁当ポイントである 文化交流センターぶなの木 の駐車場はもうすぐ!
13:15頃到着し、センターからデリバリーしてもらったお弁当をむしゃむしゃと食べ、おかわり用のご飯もすぐさま完食。バナナもほおばり、エネルギー補給完了。少しだけ食休みをしたら、次のポイント”売木峠”を目指して、再び歩き始めました。
車がほとんど通らない旧道なので、道に結構広がって歩いてしまいます・・・。2kmちょっと歩くと峠のてっぺんに着くのですが、実は秋に(運動会翌日で疲れ果てていたところでの歩く活動)、この道を通り、峠を越えて隣町まで歩いたことがある学園生たち。「あの時はとても大変だった!」「急な道で疲れた記憶が・・・。」と、当時を思い出しながら歩いていました。お腹も満たされ、全行程の3分の2を歩ききったからか、「今日は、そんなに疲れない!」と、しっかりとした足取り。
下り沢の石碑群は、下からだとそれほどたくさんある様には見えないのに、階段を上がると11もの馬頭観音や石像が!石造物の数を数え続けていた子によると、もう100近くにもなっていました。「センターに帰るまでにいくつあるんだろう?」と、興味を持ち続けている子たちも。
途中で、面白い木の根っこを見つけ、はしゃぐ子たちもいました。
やがて、売木峠につきました。行動食を口にしたり、ぺたんと座って休憩したり。センターまであと7kmほどの地点だと聞き、余力が出てきたのか、山肌のコンクリートの壁をよじ登る遊びが始まりました。なかなか上の方まで登ることは難しいようでしたが、次々とチャレンジしたがる子たちが!中には、登ったはいいけれど、降りられなくなり、助けてもらう子も。
再出発する前に、売木峠のてっぺんでも証拠写真を1枚。最後までしっかり歩けそう!
登ってきた道を今度は下り、村の中心部に戻ったら、あとは約5km。「足が痛くなってきた。」「疲れてきた~。」という言葉が口をついてでてしまう子もいましたが、皆、懸命に石造物探しを続けつつ歩いていました。「今のところ、石碑とか石仏は147こ。センターに戻るまでに150こ見つけられるかなぁ?」と言っていた子、毎週木曜日に走ったランニングコースの一部を歩きながら、ランニング教室の思い出に浸っていた子もいました。
最後のチェックポイントは、センターまで3kmほどの地点である力石。ここからは、足の怪我や他の用事でセンター待機していた中学3年生2人も加わり、ハイキングのラスト3kmは、9人全員で歩くことに。しかし、2~3人ずつが歩きやすいようで、集団は縦に長く伸びてしまいました。岩倉ダム横の坂やセンター近くの坂を、頑張って歩き・・・。
午後4時45分。ついに、到着!3つの峠を巡る26kmの道のりを歩き通した学園生たち。
多少は足の痛みや疲労を感じた様ですが、どの子も長く苦しい道のりを踏破できたという自信をもつことができ、自身の心身の成長を感じられたと思います。また、売木村には本当にたくさんの石造物があることを知り、この1年を振り返ったり共に過ごしてきた仲間との結びつきを強めたりすることもできた活動となりました。
16/03/06